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「僕は裕子と30年ぶりに再会して、メイとうまくいかない寂しさから、裕子を傷つけるようなことをしてしまった。
メイと上手くいかない、また単身の寂しさで裕子に好意を持ってしまったことに気づいた僕は、もうこれ以上裕子と会い続けたら、過去と同じ過ちを繰り返してしまうと思ったんだ。
それで一方的にもう会えないと伝え、あの日裕子を東京駅に置き去りにして酷いことを言って行ってしまった」
ユウリはそこまで話すと、少しメイを気遣うかのように時間を置いた。
「その直後なんだ。僕たちが事故にあったのは。事故の後、僕はメイとうまくやっていくために自分の過去を封印した。子供達にも協力して貰い、名前を変えた。
そして僕は髪を伸ばし始めた。メイに僕の見た目で、過去を思い出して欲しくなかった。
それで僕の髪を見るたび、それはメイへの償いだと感じて欲しくなかったんだ。メイが僕の髪を見るたびに、僕の過去の過ちを思い出すことになると思ったからだ。
そして僕は会社を辞めて、メイの好きな海のそばで暮らすことを選んだ。それで湘南へ出てきた」
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