それは、真夜中の出来事

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 私は、腐女子暦軽く十年以上いっている女である。  外野の声なども聞こえず(と言うか、無視して)ずかずかとこの道を驀進してきたことに、後悔はない。 『姉ちゃん……でも、自分の立場(独身、妙齢女子)を自覚した方がいいと思う』  だが、弟の言葉は、少しだけ耳が痛い。  まあ、それも少しだけだ。  さて、私は本日ホテルに泊まっていた。  と言っても、もう夜明け前だ。   何故かと言うと、私はいつもと同じようにベッドに入った。  そして眠る前に、本を読んでいた。  もちろん、ゲットしたばかりのBLだ。その本はとってもいい作品だった。  いい本を読んだ時は、誰かと感動を分かち合いたい気持ちは、きっとみなさんもわかってもらえるだろう。  でも、この時の私には、相手がいなかった。
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