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第五十二段階 新しい年になって一番に会いたい人は?
大晦日の午前中、挨拶回りの済んでいなかった販売店や営業先を周り、午後は2日に控えたHOKUBUデパートの福袋商戦の最終打ち合わせを済ませた。
会議室を出る前に
「やったー。明日は休みだなあ。藤谷」
大きく伸びをする尾田。
「うん。そうね」
さすがの元旦は、デパートや販売先も休むところが多いので貴子たちの会社も休みだった。
「なあ、藤谷。明日、初詣いかねーか?」
会議室を出た所で、尾田に誘われた。
「……」返事に困っている貴子を見かねたように尾田は、貴子の背中をバシンっと思い切り叩いた。
「いたーーーー! 何すんのよ!」背中に手をやり痛がる貴子。
「お前がにえきらねえからだよ! なんで俺と初詣に行くんだよ。馬鹿じゃねえの」
「馬鹿って何よ! 尾田に言われたくない」
「藤谷よお、言ったよな? 昨日」
尾田が、あきれたようにため息を吐く。
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