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「いいか。ちゃんと誘えよ。明日の初詣に行きませんかって」
「わかったって。言うから。しつこいなあ。わかってるのに」
ブツブツ言いながら、貴子は電話の向こうに白井が出てくるのを待っていた。
「……お疲れ。仕事帰りか?」
電話口から白井の落ち着いた低めの声が聞こえてくる。
「そうなんです。えっと、そのうー、なんていうか……白井部長は今日はどんな感じでしたか?」
貴子の言葉を横で聞いていた尾田は、がっくりと肩を落とした。
「そうだなー。家にずっといたから」
「そ、そうですよね。ははっ、えっと」貴子は、腕を突いてくる尾田を見上げた。口を動かして何か貴子へ伝えようとしている尾田。
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