不幸が幸せ

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明日は、言わば人生の晴れ舞台。 そんな日に、こんな失敗を犯してしまった私はなんて不幸なんだろう。 なんて… 幸せなんだろう。 りさは口元を緩ませてニヤリと笑う。 体の奥深くから口では表せないような感情がこみあげてきた。 自分で言うのもなんだが、私は被害妄想が激しい。 でも今までこんなことなかったんだ。 ,自分の不幸が幸せ, こんなこと絶対に認めてはいけない きっと戻れなくなる。 それなのに、りさの口元は更に緩んだ。 それほど自分の不幸が幸せで仕方なかったのだ。 私は夜空にかかげた小さな手で満月を覆い隠す ゾクッと何かがこみあげてくるのを感じた。 そうだ… 明日は学校を休もう。 ,登校初日から学校に来ない女の子, こんなに不幸で幸せな響きはきっともう見つからない。 こうしてこの日から私は不登校になった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 月を見上げていたりさの視界を冷たい手が隠した。 「お父さん?」 こんなことするなんて珍しいなぁ。 お母さんと離婚して、私が不登校になってから機嫌が悪かったに… でもね、さっきのことは許してあげるつもりないよ? 私は父の手を「やめて」とつかんだ。 りさの手にフニャリと柔らかい手が包み込まれる     
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