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ボクが全てを終わらせます
9月4日、
国しての機能をうしなった日本に、
ある国は別の国と協力して大量のミサイルを打ち込んだ。
世界各国にもシャドーが出現しているため、他の国もそれを黙認していた。
シャドーが集まり、大量のミサイルを取り込んで消していった。
その日の夜、
家族も親友も失い、世界からも敵視された私は、
このままだと、また心の闇から大量のシャドーを出してしまうため、
彼から離れようとした。
そのとき、彼が背中から私をギュっと抱きしめる。
「行かないでください。そんなに苦しいならボクが全てを終わらせます。」
早くしないと、シャドーが彼を消してしまう。
「ダメ、離れて!」
「誰でもよかったんです。」
「?」
彼から出た言葉に、戸惑い、動きが止まる。
「今の時代、心の闇なんて誰もが持っていますから。さらに周辺の家族や親友を襲うように仕向ければ心の支えも失っていきますから。」
「!?」
「このシャドーの種をアナタに埋めたのは、ボクなんですよ。」
私の目の前には
回り込んだ彼の笑顔があった。
はじめは彼が何を言ってるのかわからなかった。
けれど、だんだんと彼の言葉が心に伝わってくる。
彼が私の近くにいながらシャドーに消されなかった事も納得できる。
だんだんと心の中が浸食されていく。
心が壊れる音がした。
私の中から大量のシャドーが出現し、彼と私を残し、世界は終わりを告げた……らしい。
彼に心を壊された私には、もう何も聞こえないし、何も考えられない。
世界は闇に包まれた。
「ほら、これで苦しまなくてすみますね。」
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