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「学園祭まであと○日!」
このカウントダウンをしていた小さなボードはもう役目を終えたはずなのだが、先生にも生徒会にも片付けられることなく、もう夏休みだってのに呑気に「今日は学園祭!」なんて書かれてあって、そんでもって、窓に立てかけられている。
学園祭はもう二週間前に終わったのにも関わらず、そのまんま、ペンもそのまま、そんな状況を見れば
「見て見ぬふりされてんだなぁ、かわいそうに」
と、思い、指で文字を消して、キュッキュとペンを鳴らしながら
「夏休みを有意義に過ごせ!」
なんて、書いてそのまま補習が行われる演習室へ向かう、ボードをそのまま立てかけて。
補習後に、
「このメッセージを書いた人へ、あなたのことが気になるので今日の十時に、学校の図書館に来てください」
なんてメッセージに変わってるなんて、このときは知る由もなく
十時はちょうど補習が終わって五分後であるから、相手は補習仲間で
ましてや相手が、よりによってあの人なんて思いもせず
この時の自分は、ただ補習が面倒くさいと思いながら足を動かすだけだった。
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