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ある春の日、みいちゃんとるうくんは お庭でシャボン玉あそびをしていました。みいちゃんが吹いたシャボン玉を、るうくんがおいかけています。あっ! シャボン玉をタッチしようとジャンプして、るうくんがころんでしまいました。
「わあーん」
みいちゃんは泣いている るうくんにかけよると、いたいところをなでながら、
「いたいのいたいの、とんでけー」
と、手を パッとお空にむけました。
るうくんはまだべそをかいていましたが、自分で立ち上がることができました。
次にボールあそびをしていると、こんどはみいちゃんがボールをいそいでおいかけて、ころんでしまいました。
「いたいよーいたいよー」
おねえちゃんのまねをして、るうくんもみいちゃんのいたいところをなでながら、
「いたいのいたいの、とんでけ!」
と、手を パッとお空にむけました。
みいちゃんは、すこしいたくなくなったみたい、と 思いました。それから、庭の草むしりをしている おばあちゃんに聞きました。
「ねえ おばあちゃん、『いたいの』は、どこにとんでいくの?」
おばあちゃんは下をむいたまま、
「そりゃあ、遠くのお山に決まってるよ」
と いいました。
「ふうん」
遠くのお山って、どこだろう。きゅうしゅうかな? と、みいちゃんは思いました。
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