3. わたしの仕事

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3. わたしの仕事

朝を知らせるベルの音。 それでわたしは目を覚ます。 重い身体を引きずり、ベッドから這い出た。 ああ、もう少し眠っていたい。 最近妙に疲れが取れないのだ。 きっと睡眠時間が短いせいね。 軋む身体を擦りながら支度を整える。 傷んだ金髪をひとつにまとめ、メイド服に袖を通した。 酷いクマ、と鏡に映った自分に手を滑らせる。 あまり悠長な時間はない。 主人が起きてくるまでにやらなければならないことが山ほどあるのだ。 気が重くなる。 ああ、でも昨夜は夢の中の彼女に会えたから。 今日はいつもよりほんの少しだけ幸せね。
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