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「つまんなーい!!」
「そういうなよ。お前のため、なんだからさ」
次の日から安静を言い渡された私は、映画なんかを見て過ごした。
最初の2日くらいまではよかったけど、3日、4日となってくればさすがに飽きてくる。
「でも、つまんないもんはつまんないし、飽きたもんは飽きた!」
「一花」
「っていうかそもそも、私の体のどこが悪いって言うの?!私、すごい元気だよ?健康体だよ?」
普通、安静とか言われたら、自分でも不調がわかって動かない方がいいなってなるものじゃないの?
私はいつも通りだし、どこかが痛いとかもない。
「なのに、私のためとか言われても、意味わかんないもん!」
「…それは…」
…零は悪くないのに。
先生から安静にさせてと言われたから、そう行動してるだけなのに。
なのに、なんで当たっちゃうんだろ。
「…一花はさ」
「ん?」
「外に出たいと思うか?」
外。
この施設内でしか動くことを許さなれなかった私は、外の景色を知らない。
虹ってほんとに7色なのかな。
夜空には本当にたくさんの星があるのかな。
そんなことすら、私は知らない。
「…昔はね、ここにいることが窮屈で仕方がなかった。1人でこんな所にいて生きているくらいなら、死んだ方がマシかもとか思ったりもした」
でも。
「今は、零がいるからここにいるのも辛くないよ」
「え」
零がひとりじゃないって。
そばにいてくれるって。
そうやって、言ってくれたから。
「零がそばにいたら、ここにいるのも悪くないなーって思うけど。でも、外の世界見るのも、零と一緒がいいな!」
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