1【イチ】

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「教授、0号どうしますか」 「あぁ、このまま電源を切ろう。どうせ一花のことは喋らないだろうし、あいつはGPSで追える。無理にこいつを起動しておく理由もない」 …なあ一花。 お前は何も知らない。 本当は、何も知らないまま生きて欲しい。 「どうせあいつは体内温度が上がっていたからな。激しい運動なんてすればショートして終わりだ。それくらいこいつも理解して逃亡させているはずだ」 「…了解しました。1号の追跡を行います」 「あぁ、よろしく」 そういうと、教授は俺の後ろに回り、首の後ろにあるスイッチに触れた。 「じゃあな、さよならだ」 事実に悲しんで涙を流すかもしれない。 それでも、一花は俺と一緒にいて笑って泣いて、怒って。 ちゃんと人として生きていける。 だから、お願いだから。 ー…俺の分まで生きてくれ、一花。 「ー…いい夢を」 カチッと電源を切られた音がして、視界が真っ暗になった。 『強制的にシャットダウンされました。プログラムを終了します』 end.
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