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「え、なにこのブロック」
「飛ぶとアイテムでてくるよ」
「うわ、なにこれ気持ち悪いキノコ!」
「気持ち悪いって…一花お前なあ…」
「わ!でっかくなった!」
すいすいと進んでいく零に比べて、色んなものにいちいち反応してしまう私は進むのがかなり遅かった。
零はなんでこんなになんでも出来てしまうんだろう。
私が劣等生なら、零はきっと優等生。
零みたいになりたいって思わない日が無いわけじゃないけど、私はそんな完璧人間向いていないから、このままでいいのかな、なんて思う。
「あ、なにこれ、土管?」
「それは入れるヤツと入れないやつが…ってあ」
私が土管の上でぴょんぴょんしていると、体がそのまま吸い込まれた。
「…この、土管入れたんだな」
「え、零知らなかったの?!」
ぱっと切り替わった画面には、たくさんのアイテムが表示されていて。
おおお、すごい!!
目を輝かせていると、隣でくっくっと笑う声が聞こえる。
「ほんっと…一花といると飽きねぇなあ…」
「ちょ、それどういうこと!」
私がそう噛いて横をむくと、本当に楽しそうな笑顔をしていて。
ー…なんにも、言えなくなった。
「言葉の通りだよ。ほんと、一花と一緒にいると…楽しくて、新しいことがたくさん発見できる」
そんなことない…と思う。
私の方が教えてもらっていることは多いし、知らないことも多い。
「ありがとな、一花」
でも、そんなふうに言われなれないこと言うから。
「…別に、何にもしてないし」
調子が、狂うんだ。
その日は一日、零とゲームをして笑って時には怒って、そんなふうに過ごした。
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