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あなたからのメールがなければ、僕は寂しいのだと気づくこともなかった。
一日も欠かすことなく届くあなたからのメールが、その寂しさを和らげてくれた。
あなたからのメールが間違いで、僕に向けられたものではないと分かっていても、とても嬉しかった。
本当に済みませんでした。今までありがとうございました。
さよなら。」
返信はすぐに来た。
間違いメールの相手は彼を咎めることもなく、それどころか彼に会いたいと言ってくれた。
彼は舞い上がるような気持ちでイエスの返事を送った。
夜のホームで、彼は電車を待っている。
胸が弾む、という初めての感覚に戸惑いながら、何度も読み返した携帯端末の画面に目を落とす。
「ここはさむい
ここはくらい
ここは寂しい
ひとりはいや
こっちに来て」
待っててね。すぐに逝くよ。
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