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そんなわけで僕はその P.S. I Love You って言葉を知ったわけさ。
I Love You がどんな意味かはもちろんその後に知ったさ。恥ずかしいから、ここでは口にしないけどね。それに、そんなにしょっちゅう口にするべき言葉でもないと僕は思うんだな。そこらへんがイギリス人とは感覚が違ってるんだな。僕らは。いくら共鳴し合っていても、なにからなにまで分かり合えるってことはないよね。
それは良いとして、一度か二度―もしかしたら十遍くらい聞いたかもしれない―僕のパパとママもこの言葉を言い合っていたのを、僕はこっそり聞いたことがあるんだ。おかげで僕はその言葉の意味がわかったんだけどね。
けれども、P.S.の意味はちっともわかりやしなかったんだ。こればっかりは、誰かに聞いてみないとどうしようもないな、ってその時の僕は思ったんだ。だから僕は忘れないために、心の手紙に書き残しておいたってわけさ。
それから僕はその意味が知りたくって、もう待ちきれなくなっちゃってさ。毎日毎日、手紙を書き続けたさ。ぼくがどんなにそれを待ち望んでいるかとか、どんなに早く会いたいと思っているかなんてことをね。もうわかったかと思うけど、この手紙の宛て先は僕のパパとママだったんだ。
それでついに、待ちに待ったその時がやって来たのさ。僕は、膨れあがった期待と、書きまくった手紙を持って、パパとママの元にやって来たってわけさ。
直前まで僕は今まで書いていた手紙を読み返していたんだ。なにか書き忘れていないか、チェックしていたんだ。こう見えて心配性なところがあるんだよね。そうしたら、やっぱりまだ書き足りないことがあったことに気がついたんだ。そう、僕は手紙の最後にこの言葉を添えたってわけさ。そうしてみて、ふと僕はP.S.の意味がわかったような気がしたんだよね。
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