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「あ、そっか。買収されてた俺。はは。流石は奎太。刑事っぽいこと言うね」
「要するに、それこそが贈収賄なんだよ。あの人は官僚なんだからそういうことをよくわかってるんだよ」
「はあーなるほど。じゃあ櫂さんは贈収賄やってんの?」
「やってるかもな」
やっていそう、と宮沢らも言っていた。官僚の周辺には汚い金も集まっていそうだとは思う。
「え、それって逮捕しなきゃじゃん」
「二課がどうやって二課の課長を逮捕できる? 捜査指揮はあの人が執るのに」
「そっかー。ってことは、警察官僚は汚職し放題ってこと?」
「そんなわけない。だから特捜とか行政警察がいるんだろ」
「ああーなるほど! 権力の集中による汚職を防ぐため?」
「それ以外にも意味はあるけど、まあその抑止力にはなると思う」
特捜と言って思い出した。水落は結局どうするつもりだろうか。
どれだけの情報を彼が持っているのか知らないが、きっと多月は自分の持つ誰かの汚職のネタあたりを水落に謝礼金代わりに持たせるつもりだ。ご馳走とは多分そのこと。
それほどまでに何の情報が欲しいのか。それがさっぱりわからない。
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