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「君たちはまるで双子みたいだね」
そう言って父は蝋燭の灯る炎の向こうで笑顔を見せた。
双子? 瓜二つという意味?
どこが。顔は全然似ていない。
性格だってまったく違う。むしろ正反対だ。
二人で並んで食事をしているからそう見えるだけだろうか。
いや、他人にこの光景を見せたところで誰も双子だとは思わないだろう。
「二人とも私の息子にしてもいいかと思っていた」
二人とも息子にする?
一体何人息子が欲しい?
あの子が死んだから何人いても足りないの?
そう思ったところで隣の双子の片割れがスープを飲む手を止めて口を開いた。
「いいの? 双子の悪魔がここに住んでも」
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