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「じゃあそれはそれとして。七海くんを知ってるよね? 彼の父親、部下だったね。死んじゃったね。何故死んだ?」  その質問には父は平生を装おうとしていたが、明らかに狼狽しているように見えた。 「だからそれは、ひき逃げによる交通事故で…」 「犯人はあんたを狙ったんだろう? 七海氏は上司であるあんたを咄嗟に庇って亡くなった」 「どこにそんな証拠がある?」 「当時の交通課の人間からも証言が取れているし、七海氏の奥さんに庇われたことを話してしまったね?」 「……」  すぐに反発する気配をなくす。つまり認めているわけだ? 「後でそれはまずいと気づき、訂正した。その事実をもみ消したのは何故だろうね?」 「……」 「言い当ててあげようか? あんたは犯人を知っていたからだ。ひき逃げした車種もナンバーもあんたは憶えていた。警察だからそんなことは容易だ。いつも張り込みしては車のナンバーばかり控えている仕事だからね。車両ナンバーさえわかれば運輸局に問い合わせられる。盗難車でもなければ所有者の身元はすぐにわかる。堀川議員の関係者の車両だった。違う?」 「……」 「雨宮議員の件で堀川議員について調べていたあんたは、汚職に気づいた。その捜査をするうちに命を狙われるようになった。そんな中巻き込まれたのが七海氏だ。お気の毒に」 「……」
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