5491人が本棚に入れています
本棚に追加
愛情かけて育てたつもり?
ふざけるな。
本人の意志や主張やすべてを抑圧して自分のやりたいように懐柔することが愛情?
だったらそんなもんいらねえよ。
馬鹿じゃないの。誰が欲しがる?
東大行って官僚になって警察のトップになって、まだそんなこともわからないのか?
「おまえが私に不満を持ち続けていたことはわかった。いくらでも謝罪しよう」
「謝罪とかどうでもいいから。過去の罪も今の罪も認めてくれる?」
「私が逮捕されたらおまえの進退も危うい。どうするつもりだ?」
「こんな時にまで心配してくれて涙が出そうだよ。どうぞお気になさらず。自分のことは自分で始末をつけるから」
「私はいつ地位を退いても構わない。そう思ってやってきた。警察の頂点に立つというのは、そこまでの覚悟あってこそのものだ。いざとなれば何もかもの責任を負わされる」
「じゃあいいじゃない。退いても構わないんでしょ」
「しかしおまえの立場を考えたら…」
いい加減にしろよ。
さっさと認めろよ。
俺と心中したいの?
じゃあする?
用意はできているんだよ。
「…!」
父が、いやその場にいた水落までもが凍りついた。
誰も動けなくなった。
懐から出した銃口を父に向けたからだ。
そのまま父を睨みつける。
最初のコメントを投稿しよう!