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「…いや…、嫌…っ、あ、あ…んっ」
「嫌じゃないくせに。いいんでしょ。じゃあ言ってよ。もっと入れてって」
「…い、入れ…、いや…っ、言いたくな…、ああ…っ」
言いたくない言いたくない言いたくない。
でももう快感がひどくて収拾がつかないほどで、素直に言ったほうがずっと楽になれるだろうと思った。
焦らされるより早く達したい。どうせまたすぐに達したくなるけど。早く。早く解放させて。
「…あ、ああ…っ、入れ、て…もっと…、いきた…い…っ」
「もう? そんなにいきたいんだね。可愛いよ」
言うな。それは言うな。今それは絶対に言うな。
「ああこれは言っちゃ駄目だったね。でも普段は言わないから。今だけ言わせて。凄く可愛いよ」
また可愛いと言われてぞくぞくと肌が粟立つ。少し動きを早められただけで瞬く間に達してしまった。何度でもこの絶頂感を体験したい。
男同士なのに。ありえないのに。無理なのに。そう思っていたはずで、今も思いたいのに。多月だから、好きな人だから、どんなに屈辱的な行為でもむしろ幸せだと感じる。
それを与えてくれるのは多月だけだ。失わなくて良かった、ここにいてくれることが泣きたいくらい嬉しい、と思う。
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