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「そう。僕の命は君が生かしたから。君が決められる」  そんなことを言われても!  重大事じゃないか。自分の人生だろう。いくらこっちが自殺を止めたといっても、そこまで責任を持てない。自分の人生は自分で決めてくれ。 「無茶言わないでください。決められるわけがないです」 「君の希望はないの? 特捜部のエースになってほしいとか」 「別に特捜部に憧れはないです。敵じゃないですか」 「それなら何がいいの?」 「本当に課長は他にしたい仕事ってないんですか?」 「ないよ。どの仕事をやっても上手くやれる自信はある」  まあそうでしょうね。それは間違いないと思いますけど。呆れ返って思わず笑みが零れた。 「じゃあ俺の希望を言います」 「うん」 「このまま二課にいてほしいです」  その言葉は言ってはいけないのだとわかっていた。  多月がそこにいたくないからこそこんな一大事にまで発展したことも。  だけど、それをずっと望んでいたからこそ、七海だって必死で止めた。自分が処分されようが、危険な目に遭おうが。  多月が自分のやりたい仕事が他にあるというなら辞職後応援したいと思っていた。  でもそれがないというなら、七海は警察に残ってほしいという希望しかない。
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