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「交通事故で入院ですか。確かにそれは非常事態ですね。しかし、別に生死の境を彷徨っているわけではないですよね? じゃあ入院先に行こうと思えば行けるのでは?」
こいつは鬼か、と皆が思った。
「入院先も知り得ていないので…」
「えっ。入院先を知らないんですか? 警察ですよね? 調べようと思ったらできますよね? 病院だって一般人なら個人情報を秘匿されますが、警察であれば開示してくれるはずです」
「しかしそこまでする意味がないと思うのですが。入院先まで追いかけたところで逆に不審がられますし、警戒して口を割らない可能性が高いと見込みましたので」
「やってみました? やらなくて憶測で言うなら誰でもできるというか、何ていうか言い訳というか怠慢というかそういうふうに聞こえてしまいます。気のせいでしょうか」
本当に嫌味っぽい。普通に会話する時よりずっと性格が悪く見える。普段はもう少しましなのだが。
「…すみません」
「いえいえ! 責めているわけじゃありません。嫌味っぽく聞こえたら申し訳ないです。無自覚ですが何だか嫌味っぽいらしくて小生意気に見えるらしくて改善しようとしているんですけど、もう子供の時からこんな感じなんでね。そりゃ悪魔なんて呼ばれますよ。あ、そんな話はどうでもいいですね。三宅係長ご答弁ありがとうございました。引き続き捜査のほうよろしくお願いします。では次…一係七海巡査」
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