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課長がおでこを触ろうと手を伸ばしかけて私は咄嗟に避けてしまった。
しまった!
あからさまに避けて気を悪くさせたかも。
課長を見ると伸ばした手を静止させたまま案の定少しムッとした顔をして私を見ている。
後ろ手を床について身を引いている私は、気まずさから席を立とうと思いたち、鞄を手にして立ち上がった。
「帰るのか?」
「いえ、御手洗いに」
「送ってやるよ」
「はい!? け、結構です」
ほんとに結構です。
これ以上、私に構わないでいただきたい。
いや、むしろ近づかないでいただきたい!
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