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玲子は店の横側に通路を見つけてそちらに足を向けた。むっと潮の匂いが強くなる。こちら側は川べりになっていて夏の暑さがどっと押し寄せてきた。今日から夏休みなのだ。
だが、余命わずかな祖母の事を思うと、学校の友達と約束した花火大会やプール、サマーフェスタへ行く気にはとてもなれなかった。
規則正しく並んだ石畳を辿り、ふっと横をみると小道があった。緩やかな階段になっていて見上げた先には大きな楠の樹が気持ちのよさそうな木陰を落としていた。
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