3.魔女の見習い

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 占い師としての祖母はたいそうなやり手だった。もし、森羅堂が薬の代償として大金を要求したとしたらかなりの額を工面できそうだった。 だが、魔女の端くれである玲子は【幽薬】なるものを扱う者は金銭に頓着しないと知っていた。 彼らは魔法使いとは別で、西洋なら古来は錬金術師と呼ばれ、今では科学者と呼び名が変わった。東洋なら仙人と呼ぶのが一番しっくりくる。   どちらも浮世離れした存在で探し出すのも大変なはずだった。 この街に祖母が棲みついたのはまだ十代の頃だったと言う。  
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