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「ごめんください」
玲子の声に、植物たちのお喋りが重なる。
・・・魔女の孫娘が来たぞ・・・。
・・・まだ子供じゃないか・・・。
・・・珍しい客じゃな・・・。
玲子はポケットから木製の割符を出した。
手のひらほどの大きさで表面には杖に蛇が巻きついた紋章の左半分が刻まれている。裏側にはこの店の看板と同じく『幽薬専門 森羅堂』の焼き印がある。
この割符には仕掛けがあるらしく、時折内側からチリンという音が響く。
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