『幽薬専門 森羅堂 壱。魔女の孫娘』 1.生薬の庭
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この世ならざる幽薬を専門に扱う薬屋。 植物たちのお喋りに惑わされている場合ではない。 息を整えると祖母に教わったように割符を右手に持ち目を閉じた。 まぶたに光の残像が躍る。その先に手を伸ばして割符の片割れを探した。手の中で割符が長く離れていた相方を見つけて鋭く鳴きはじめた。 「みつけた」 ぐらりと足元の地面が傾き慌てて目を開けた。ぶわっと潮の匂いがする風に包まれ一歩踏み出そうとした時。
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