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「月依っ!!」
後ろから呼ばれてビクッと肩が上がった。
「月依、だろう?」
「(タイミングが、いいんだか悪いんだか。)」
伺うように声を掛けられても振り向く気は、なかった。
「堂々と逢いに来たらいいのに。それになんで病院着なんだ?」
歩みを進めながら声をかけ続ける。
「月依・・・急に居なくなって瑠々が心配してた。なぁ、月依。」
「っ・・・」
あの頃のように優しく呼ばれて涙が零れそうになる。
「あなたのその無神経さが嫌なのよ。私の倖せを壊した子どもをあなたたち立ち合いのなかで抱けって言うの?
冗談じゃない。」
「ごめん・・・でも、逢いに来てくれて嬉しいよ。」
「そう。話しは、終わりね。」
「いいや。なんで病院に居るのかを訊かせてもらう。」
長年の付き合いの所為か隠し事をしているのがなんとなく判った。
「関係ないでしょ。」
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