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「月依・・・」
「馴れ馴れしいって前にも言ったわよね。」
「ごめん、どうかしたのか?」
声を荒げる彼女が珍しくて腕を引っ張る。
「放して!」
後ろから抱き締められて弱い気持ちが溢れ出てしまいそうになる。
「放して・・・悠葵。
もう、あなたの助けは・・・要らないわ。」
「月依・・・・・・」
「いまさら、遅いのよ・・・」
本当にそうだった。無責任な優しさなど凶器だ。
「月依?」
「あなたに出来ることなんか、何もないわ。あなたは、〝無力〟よ。」
「っ・・・」
「私の傍には、居られないんだから。だから、自覚してちょうだい。」
腕が力なく外れた。
「俺には、もうなに出来ないのか?」
「いいえ。〝出来ない〟んじゃないの。〝やっちゃイケない〟のよ。判った?」
突き放す以外に道は、ない。
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