◇13◇ 愛の居場所

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   「月依・・・」 「馴れ馴れしいって前にも言ったわよね。」 「ごめん、どうかしたのか?」  声を荒げる彼女が珍しくて腕を引っ張る。 「放して!」  後ろから抱き締められて弱い気持ちが溢れ出てしまいそうになる。 「放して・・・悠葵。  もう、あなたの助けは・・・要らないわ。」 「月依・・・・・・」 「いまさら、遅いのよ・・・」  本当にそうだった。無責任な優しさなど凶器だ。 「月依?」 「あなたに出来ることなんか、何もないわ。あなたは、〝無力〟よ。」 「っ・・・」 「私の傍には、居られないんだから。だから、自覚してちょうだい。」  腕が力なく外れた。 「俺には、もうなに出来ないのか?」 「いいえ。〝出来ない〟んじゃないの。〝やっちゃイケない〟のよ。判った?」  突き放す以外に道は、ない。   
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