◇13◇ 愛の居場所

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   「月依・・・」 「煩いわよ。」 「月依・・・」 「落ち込んでいるの?」 「なんだよ。」 「落ち込みなさい。こんなとき傍に誰も居ないのは、あなたの所為よ。」  嫌味を言って笑った。 「お前・・・」 「馬鹿ね。」  涙を見せる彼の頭を撫でた。 「っ・・・」  手をギュッと強く握る。 「本当に、馬鹿なんだから・・・」  髪を優しく撫でる。なんとも言えない時間だった。  》 》  〝愛〟が欲しいと思った・・・。でも、渇望しても与えられることがないのだと思い知った。  同じくらい与えなければならないのだと、知った。  欲しくて欲しくて・・・手を伸ばしても虚しさだけが募った。  与えられるようにならなければ〝愛に居場所〟を作ってあげられないのだ・・・   
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