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「だよな。でも、安心したんだ本当に。
あいつにも凭れることが出来る人間が居て・・・」
「っ・・・」
怒鳴ってやりたい気持ちが寂しそうに呟くように言われてしまい薄れていく。
「倖せに、してやってくれ・・・」
「っ!?」
グラスを握り締めて涙を流されてしまって毒気が抜けてしまった。
〝心底悔いているように見えた〟のだ。
「マスター、俺帰ります。」
「ああ、また来い。」
青年を見送る。
外に出ると美しい満月が出ていた。
「月依さん・・・」
愛おしく優しく名前を呼んでも返事は・・・ない。
》 》
目覚める。
眠る。そして、目覚める・・・
後どれくらいこの無機質な繰り返しをすれば楽になれるのだろうか。私の周りには、いったい〝なにが〟あっただろうか。
確かに掴んだモノも砂のように握った拳の隙間からサラサラと失せていった。
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