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「おっと!そうでした・・・。それでは、お時間をかけるのも忍びないので、早足に説明させていただきますけれども、カスタム新聞とはおそらくご想像頂いている通り、ご契約者ご本人様にとって興味のある内容だけを抜粋した新しいタイプの新聞になります」
「内容も政治や経済に関することじゃないってことですか?」
私が適当に相づちを入れると、営業マンは賢い生徒をほめるように再びあの気味の悪い笑顔になった。
「まさにその通りでございます!ご契約者様が、今何の情報が欲しいのか、それを事前に察知して新聞に反映する。それが当社が経営するカスタム新聞のシステムでございます!」
「ふーん。面白そうっちゃ面白そうだね。でも高いんじゃない?」
「う~ん。仰る通り、個人別で記事を作り変える必要がございますので、一般の新聞に比べ少しお値段は張りますね。けれども、絶対に為になる情報がてんこ盛りなのは補償いたします。とりあえず今回は初回ということで初刊発行のみ無料で差し上げますので、もし興味を引かれたら一月だけでも契約いただけませんか?」
そう言うと営業マンは真新しい新聞を手渡してきたので、私は言われるがままにペラペラとページをめくると、そこには一人暮らしの男性用のグッズや楽器関係の記事が載っていた。
「なるほどねぇ~。確かに実用的だけど、別にインターネットでいくらでも調べられるからねぇ・・・」
やはり必要ない。
そう判断して断りの返事を入れようとしたその時。
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