9人が本棚に入れています
本棚に追加
今、目の前で何が起きてるのだろう。
授業終わりの、平和な昼下がり。
クラスの皆がそれぞれ友達とお弁当を食べるその中で、
私は一人、細々と箸を進める。いつものランチタイム。
の、はずだった。のに。
「お前、岩井千穂、だよな。俺、今日からお前護るから。よろしく」
学年一の不良と呼ばれる男子生徒、竹下涼は、
私を見下ろしながら、そう言った。
私は一瞬、固まる。
皆の視線が、金髪の彼と、メガネの私にいっせいに注がれた。
「あの、今なんて……」
「だから、今日から、お前を護るって。
弱い奴を護ることが、次期ヘッドになる条件なんだ」
「……言ってることが、ちょっと」
ちょっとどころか、本当は全く理解不能だ。
すると、彼は私の前の席にドカッと腰を下ろした。
「あんたさ、入学して以来、友達いないんだろ?
悪口とかも言われてるみてーだし.
ほらあれ、『学内かーとす』ってやつの、最底辺なんだろ?」
「それを言うなら、カースト?」
最初のコメントを投稿しよう!