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が、彼は私の反応を無視し、続ける。
「それってつまりさ。お前、この学校で一番弱いってことじゃねーの?
それに見た目も、チビだしヒョロだしメガネだし。
だから護ることにしたんだ。お前、弱いから」
口をまっすぐ結び、悪びれもなくうなずく彼に、私は思わず言ってしまった。
「し、失礼じゃないですか!面識もないのにいきなり、弱いだの、最底辺だの!」
言った後、我に帰り、口をふさぐ。
不穏な沈黙。やばい。これは私、殴られる一歩手前なのかもしれない。
昼休みにも関わらず、クラス内は静まり返っている。皆凍りついているのだ。
「……そりゃそーだな。悪かった」
口にされた言葉は意外なものだった。
彼は刈り上げられた髪をボリボリと掻きながら「でも」と続けた。
「それって、ホントのことだろ?」
私は言葉に詰まる。
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