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そして昼休み。
不良はズカズカとクラスに乗り込み、
当たり前のように私の前の席に腰を下ろした。
「岩井、見てみろよ。俺今日、購買の焼きそばパンゲットできたんだ。
半分やるよ」
そう言って不良は、乱暴にパンを二つにちぎった。
私は、おそるおそる辺りをうかがう。
案の定、クラスの皆が、黙ってこちらを見ていた。
「あのさ……、今更なんだけど」
「あん?」
「なんで、私を……その、護ろうとしてるの?」
「あれ、言ってなかったっけ?次期ヘッドの条件が、
弱い者を護ること、だからだよ」
「だから、ヘッドって、なに?」
「あ、ヘッド知らない?頭だよ。リーダー。暴走族の」
「……暴走族?!」
一瞬、頭が真っ白になった。
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