7/10
前へ
/28ページ
次へ
そして昼休み。 不良はズカズカとクラスに乗り込み、 当たり前のように私の前の席に腰を下ろした。 「岩井、見てみろよ。俺今日、購買の焼きそばパンゲットできたんだ。 半分やるよ」 そう言って不良は、乱暴にパンを二つにちぎった。 私は、おそるおそる辺りをうかがう。 案の定、クラスの皆が、黙ってこちらを見ていた。 「あのさ……、今更なんだけど」 「あん?」 「なんで、私を……その、護ろうとしてるの?」 「あれ、言ってなかったっけ?次期ヘッドの条件が、 弱い者を護ること、だからだよ」 「だから、ヘッドって、なに?」 「あ、ヘッド知らない?頭だよ。リーダー。暴走族の」 「……暴走族?!」 一瞬、頭が真っ白になった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加