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私は、友達がいない。
だから、情報源がない。
彼の風貌と、皆の接し方を見ていて
「竹下涼が、いわゆる不良なのだろう」ということは、一応察しがついていた。
しかし……暴走族?!
私はそんな人と、最近一緒にいるの?!
「あれ、固まっちゃったよ。おーい。いらねーの?」
気がつくと、不良は不思議そうに私の顔を覗き込んでいた。
私は咳払いをする。
「その、『次期ヘッドになるため』って、どういうことなの?」
「あぁ、実はさ。俺、バイクの腕前を買われて、
次のヘッド候補の1人に指名されたわけ。
でも、今の頭、ヘッドが言うの。
『ヘッドになりたきゃ、腕っ節だけじゃなく、心も一人前にならねーといけねー』
って。でさ、俺聞いたんだよ。『心の一人前ってなんだ』って。
そしたらさ、ヘッドが言ってたの。
『弱きを助け、強きをくじく。これが基本だ』って。めっちゃかっこよくね?」
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