8/10
前へ
/28ページ
次へ
私は、友達がいない。 だから、情報源がない。 彼の風貌と、皆の接し方を見ていて 「竹下涼が、いわゆる不良なのだろう」ということは、一応察しがついていた。 しかし……暴走族?! 私はそんな人と、最近一緒にいるの?! 「あれ、固まっちゃったよ。おーい。いらねーの?」 気がつくと、不良は不思議そうに私の顔を覗き込んでいた。 私は咳払いをする。 「その、『次期ヘッドになるため』って、どういうことなの?」 「あぁ、実はさ。俺、バイクの腕前を買われて、 次のヘッド候補の1人に指名されたわけ。 でも、今の頭、ヘッドが言うの。 『ヘッドになりたきゃ、腕っ節だけじゃなく、心も一人前にならねーといけねー』 って。でさ、俺聞いたんだよ。『心の一人前ってなんだ』って。 そしたらさ、ヘッドが言ってたの。 『弱きを助け、強きをくじく。これが基本だ』って。めっちゃかっこよくね?」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加