第三話 近所の子

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第三話 近所の子

 地方都市の役場に勤めている新垣静香さんが教えてくれた話しだ。  新垣さんが幼稚園に通っている頃、毎日のように遊んでいた男の子が居たという、その頃の新垣さんは母子家庭で町外れの小さな山の近くの畑に囲まれた母の実家に住んでいた。  母の実家は農業をしている。周りも農家で子供たちも沢山居たが皆年上ばかりで新垣さんと遊ぶような子供は居なかった。  休みの日や幼稚園から帰った新垣さんは家の中や庭、祖父の畑などで一人で遊んでいた。  ある日、退屈な一人遊びをしていると男の子が声を掛けてきた。小学校低学年といった感じの男の子だ。新垣は直ぐに仲良くなった。  男の子は薄汚れた服を着ていて新垣は幼心に恵まれない家庭なんだと思っていたが青い運動靴だけは新品なのか綺麗だった事を覚えている。  男の子の家庭の事情はさておき、今まで退屈だったのが嘘のように毎日その子と遊んだ。男の子は色々な遊びを知っていた。虫取りやザリガニ釣り、けんけんぱに砂山に刺した棒を倒さないように交互に砂を掬っていく山崩し、全て二人だけでも遊べる遊びだ。     
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