第三章

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第三章

お母さんに七星くんの存在のことを詳しく話したのは、熱が下がってから。 雷がなってたときも、大雨のときもここに来て手伝ってくれたんだよ、というと安心した顔を見せた。私一人だと思って心配してたらしい。 2人のお陰で作業が十分に進んだからもういいよと感謝されたが、これからのりんごの成長ぶりを見たいので、一週間ごとにお母さんと交代制で作業を進めていくことにした。 今週は私の番。地道に花を摘んで取っていく。 『夏に咲く花って何だろうね』 『向日葵、アサガオ...しか思いつきませんね』 『うーん』 『七星くんは何かわかるんですか?』 意外にも悩んでいた。 『僕、花の外観に惹かれてるだけだから名前までは...』 ポケットからスマホを取り出し、素早く操作している。とてもじゃないけど追いつけない。 『これとかこれとか...』 スライドさせるごとに見事に咲いた花々が目に映る。 赤や青が画面いっぱいに映るのも綺麗だが、何より魅せ方が上手でないとこんなに感心しない。 『写真家みたいですね』 『長年撮り続けてきたから慣れてきただけだよ』     
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