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「前言ってた花の名前分かりました?」
「ん?あぁ一応ね」
「さすがですね...」
つくづく思う。七星くんって絶対クラスで上位だろうなって。こんなに努力家だもん。きっと私の成績なんかよりも、ずっとずっと上の人だと思う。
いやそもそも学校のレベルが違うのか。うん、もう月とすっぽんじゃないか。
「夏輝ちゃん?」
「あ、はい」
「僕、今から本返しに行くんだけど」
七星くんの肩から白のショルダーバッグがぶら下がっている。
「図書館、分からなくなったんだよね」
「はい?!」
恥ずかしそうに頬をかいた。
「なんとなくでもいいから教えてくれたら嬉しいんだけど...」
「図書館の名前分かります?」
ショルダーバッグからなにかを取り出した。そこの図書館のパンフレットだ。
「ここなんだけど」
それに小さく載ってある地図を見せられた。
「あ、何回かは行ったことありますよ..」
「いいかなぁ...」
「いいですけど私、方向に自信ないですよ」
どこか出かけると必ず道に迷う。あれ?右に行くんだっけ、左に行くんだっけってなるんだよね。
それでもいいよと頷いてくれたので、お母さんにちょっと道教えてくると言ってから、外に出た。
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