第三章

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「前言ってた花の名前分かりました?」 「ん?あぁ一応ね」 「さすがですね...」 つくづく思う。七星くんって絶対クラスで上位だろうなって。こんなに努力家だもん。きっと私の成績なんかよりも、ずっとずっと上の人だと思う。 いやそもそも学校のレベルが違うのか。うん、もう月とすっぽんじゃないか。 「夏輝ちゃん?」 「あ、はい」 「僕、今から本返しに行くんだけど」 七星くんの肩から白のショルダーバッグがぶら下がっている。 「図書館、分からなくなったんだよね」 「はい?!」 恥ずかしそうに頬をかいた。 「なんとなくでもいいから教えてくれたら嬉しいんだけど...」 「図書館の名前分かります?」 ショルダーバッグからなにかを取り出した。そこの図書館のパンフレットだ。 「ここなんだけど」 それに小さく載ってある地図を見せられた。 「あ、何回かは行ったことありますよ..」 「いいかなぁ...」 「いいですけど私、方向に自信ないですよ」 どこか出かけると必ず道に迷う。あれ?右に行くんだっけ、左に行くんだっけってなるんだよね。 それでもいいよと頷いてくれたので、お母さんにちょっと道教えてくると言ってから、外に出た。     
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