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「おぉ私が気になったのと同じタイミングなんて」
「僕からしたら夏輝ちゃんが気になるのが驚きだよ」
「え、なんでよ」
「花に興味ないと思ってたから」
あはは、と快活に笑う。
まあ確かに私が花のこと気になるなんて、我ながら意外だと思う。
「夏輝ちゃん誕生日いつ?」
七星くんが足を止めた。前を向くと信号機が赤を示している。
「10月13」
「ありがと!帰ったら調べよーっと」
「自分自身の探しなよ」
「探すけど、夏輝ちゃんも気になって」
気になるって、そんな簡単に言えちゃうのかな。私はなかなか言えないけど。
考えると恥ずかしくなって、その言葉から逃げるように会話を繋いだ。
「七星くんこそ誕生日いつなの」
「4月9日だよ」
「七星くんって春らしい人だもんね」
「なんだそれ」
桜がひらひら舞うように明るく笑った。
*
りんごの世話をしない週の休日は何もすることがなく、手持ち無沙汰だ。
集中力が上がるといわれている雨の効果は、テスト対策もろくにしない私には無効である。
床に大の字になる。湿気溢れるジメジメとした空気のせいで眠気さえも襲ってこない。涼しければ熟睡できるのに。
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