第四章

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梅雨前線はとっくに日本列島を通り過ぎて、太陽が表に現れだした。 夏。 明日からは夏休み。 高校になると宿題が少なくなった。それに読書感想文は夏休み前に終わらせたからほんとに何もすることがない。 作業に没頭するしかないか。 あれから七星くんは数日間、いつもと変わらずニコニコ笑いながら訪れてくれた。 七星くんの言っていた「ここにいられない」理由を、会うたびに考えたけど何も分からないまま今日に至る。 今日あたり勇気を出して訊いてみるかな。残念ながらまだ勇気のゆの文字もないけれど。 そんなことを考えながらジリジリと焼けてしまいそうなほど、温度の高い太陽に照らされながら下校道を歩いた。 日暮れどきに七星くんが来た。 制服をきっちりと着こなしているのを見ると、同い歳なはずなのに少しばかり年上に見える。 「七星くん、暑くない?」 不思議なことに汗を全くかいてない。息が上がってるのに、なんか少しすずしそうだ。 「ん?あー、暑いかな」 「ほんと?すっごい涼しそう」 私なんかこの場でただ作業しているだけなのに、体中の大半の水分が外に放出されているような気がする。     
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