第四章

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「まあ、僕が来た所からここまで近いからね。のんびりきたらこうなるよ」 「それって私が汗っかきみたいじゃん」 そんなことないよって否定した顔に本心出てますよ。 「さあ僕もするかー」 「七星くん」 「ん?」 やっぱり訊く勇気が湧き上がってこない。もやもやする割には、理由を明確にするのもなんか少し怖いから。 なんて自分勝手な理由で、黙り込む。 「なになに」 「うーん...」 またこの空気だ。 あー、もう。いっそ素早く言って退散してしまおうか。 「あのね!」 「なにー、そんないき込んで」 「なんで七星くんはここにいられないの?」 「すっごい今更だね」 「仕方ないじゃん」 時の流れとか私からしたらどうでもいい。言えたことに意味があるから。 きっと今流れてきている汗の中には、冷や汗も混合しているだろう。 「質問形式はなし」 「それしようと思ったのに」 どれだけ考えたって私のことを嫌ってるようには見えないけど、真相は分からない。それに私の観察力なんか信用できないから。 「ここにいられないんだよ」 「だからなんで!」 「うーん。なんでだろうね」 「秘密事嫌いじゃなかったの」 「隠し事なら嫌いじゃないよ 」 そんなの卑怯だ。
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