第四章

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「...おとぎ話の主人公かな」 「僕は雨から生まれたから太陽が苦手なんだ!」 だめだ。もう謎の主人公になりきってしまっているようだ。コレはボケにツッコミを入れるか、のるしかない。 「なら私はその第一発見者ね」 のってみた。単純にツッコミどころ満載すぎて、どうツッコミをいれていいのか分からなくなっただけの話なんだが。 「そうだよ、君が第一発見者」 「なんでそんなこっち向くの」 「別に何も無いよ、ほら作業しよっか。溶けちゃうから」 そんなおとぎ話に流されて、結局のところなんでいなくなるのか有耶無耶にされて終わってしまった。 「そうだ、夏輝ちゃん」 紅くなった太陽が地平線を揺らいでいる。 「約束しよっか」 「おとぎ話の続き?」 「違う、リアスな世界の話」 そういってどこかに歩いていく。 「ちょっと、どこいくの!」 駆け足でそのあとを追うと、休憩所の前で止まった。 「リンゴが熟するのっていつ頃?」 なんで唐突にそんな質問をするのか意味もわからず答える。「10月頃」 「あ、夏輝ちゃんの誕生月だね」 もうその話をしたのは結構前なのに、まだ覚えてくれてるなんて。 「10月13日、ここに来ていい?」 「なんで私の誕生日」
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