第四章

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「いいじゃん、覚えやすいから」 無邪気に歯を見せて、勢いよくベンチに腰掛けた。 その弾みでミシ、と軋んだ音がする。 「おっと、失礼」 「ここに来たらいいの?」 「そう。何時にするかなー」 そういってポケットからスマホを取り出して、素早く操作している。 「この日は土曜日だ!じゃあ朝10時にしよう」 「10月13日、ここに朝10時集合?」 「うん、完璧だね!」 どこかにメモらないと忘れそう。でも私携帯は家の中だし、紙もない。 「夏輝ちゃんメモどうするの?」 「それ私も思った...うーん...」 「まあ夏輝ちゃんが完全に忘れてたらインターホン押すからいいよ」 爽やかにそれを言われても、可愛らしい七星くんに似合わないなぁと思ってしまったことは秘密にしておこう。 そうやって私たちはいつもと同じように、すぐ会えるような別れ方をした。 次の再開は神様の悪戯によってなくなってしまうなんて知っていたら、もっと別れを惜しんだのに。
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