第二章

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「そういえば花愛好者でしたっけ?」 「僕そんなこと言ってない希ガス..」 希ガス?有毒そうな名前をしている。けどそれがどうしたんだろう。 そんなことをぼんやり考えていると夏輝ちゃんは?と聞かれた。慌てて、帰宅部ですと正直に答えてしまった。 「農学部ってあったらいいね」 心のまんまを言われる。いや、まあそうなんだけど。本当は格好つけたかったのに。 「僕もそんなのあったら入りたいかも」 「でも七星くん、ふらわーですよね」 英語で言うんだね、とくすりと笑う。 「だってさっき英単語のようなものを入れてきたので...」 言ってみて、我ながら幼稚くさいなぁと思う。高校生とは思えない張り合いだ。いや、張合いというか勝手に対抗しているだけか。 「さっきのはネット用語。或いは化学」 あー、化学だなんてさっぱりだ。そんな単語があったかなんて覚えているわけがない。 願うことは七星くんが年上で、私はまだ学んでいない、未知の世界だということ。だけど残念ながら七星くんは私と同い年ということが発覚。 「確か、希ガスって一番安定している元素たちなんだよ」 他の元素とくっつかない、うんたらかんたら。 希ガスについて教えてもらったが、結局七星くんは勉強家ということしか分からなかった。 「なんでこんな話になったんだっけ」 「...ジャージなんだねってことを話してたんですよ」 頭が痛い。学校があったみたいに疲れた。 「あー、そうだっけ」 全く思い出せないと顔に書いてある。 「随分と作業放棄してますね私達」 そう言うと気まずそうにそそくさと先程の場所に逃げていった。
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