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「そういえば花愛好者でしたっけ?」
「僕そんなこと言ってない希ガス..」
希ガス?有毒そうな名前をしている。けどそれがどうしたんだろう。
そんなことをぼんやり考えていると夏輝ちゃんは?と聞かれた。慌てて、帰宅部ですと正直に答えてしまった。
「農学部ってあったらいいね」
心のまんまを言われる。いや、まあそうなんだけど。本当は格好つけたかったのに。
「僕もそんなのあったら入りたいかも」
「でも七星くん、ふらわーですよね」
英語で言うんだね、とくすりと笑う。
「だってさっき英単語のようなものを入れてきたので...」
言ってみて、我ながら幼稚くさいなぁと思う。高校生とは思えない張り合いだ。いや、張合いというか勝手に対抗しているだけか。
「さっきのはネット用語。或いは化学」
あー、化学だなんてさっぱりだ。そんな単語があったかなんて覚えているわけがない。
願うことは七星くんが年上で、私はまだ学んでいない、未知の世界だということ。だけど残念ながら七星くんは私と同い年ということが発覚。
「確か、希ガスって一番安定している元素たちなんだよ」
他の元素とくっつかない、うんたらかんたら。
希ガスについて教えてもらったが、結局七星くんは勉強家ということしか分からなかった。
「なんでこんな話になったんだっけ」
「...ジャージなんだねってことを話してたんですよ」
頭が痛い。学校があったみたいに疲れた。
「あー、そうだっけ」
全く思い出せないと顔に書いてある。
「随分と作業放棄してますね私達」
そう言うと気まずそうにそそくさと先程の場所に逃げていった。
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