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『・・・だろー?だから、ここは、こうやるんだ』
『しゅごいねぇ!これでお空に飛べるの?』
おばあちゃまに、真っ白な紙を貰ってケイくんに紙飛行機を折って貰った。
『じゃ、飛ばすぞ』
『うんっ!パパに届くかなぁ?』
公園のおっきな滑り台の上から、初めて飛ばした紙飛行機は・・・
『あぁぁっ!!落ちちゃった・・・』見事に落下したものの、何度も何度もケイくんと飛ばしあいっこして・・・
シュ─────ッと空に高く舞い上がった。
『よっしゃっ!飛んだぞ!』
『うんっ!パーパー!見えたー?』滑り台の上から、大きな声で天国にいるパパへと話掛けた。
『おーいっ!天国のー朋美パパー!俺なー・・・』隣で自分の折った紙飛行機を握りしめたケイくんが、続いて話掛けた。
『えーっと・・・なんだっけ?』ケイくんが、困った顔で私に聞いてきたが、何をパパに話そうとしたのかはわからない。
『あ───っ!また落ちちゃうっ!!』慌てて紙飛行機を拾いに行く私の後ろから、
『─が、好きだからぁ!』というケイくんの大きな声が聞こえて、私は紙飛行機を手に振り向いた。
タンッ・・・タンッ・・・タンッ・・・と足早に滑り台を降りたケイくんは、私の所へ走ってきた。
『大人になったら、迎えにくるからな!!』
『んぅ?うん・・・』
(ケイくんもうちのパパのこと好きだったのかな?)
その言葉が、何を意味するのか?まだ、4歳だった(ケイくんも)私には、わからなかった・・・
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