下衆に笑って

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「あははははははははははははははははははははっっっっっっ!!!!!」 腹を抱えて、彼女は大笑いする。よろけて、呼吸すら乱して、ただ可笑しいとばかりに嗤う。 泥棒は絶句し、彼女の父はただ目をつぶって、じっとしている。 「あー、可笑しいの。何、演技だとわかって、残念だった?」 下衆な笑みを浮かべ、下衆な声音を吐いて、彼女は言う。 「せっかく、心開いて、仲良くなったと思ってたら、裏切られて、絶望した顔する。泥棒って人間らしく主張するんだねっ」 本当に可笑しいと、また笑いそうになりながら、彼女は続ける。 「悪い人だって心に寄り添えば、人間の弱者らしく優しさを見せるんだ。でもって、人を信じようと思ったところで、手のひら返しされたら、どうなるんだろうって思ってやってみたら……」 思わず言葉に詰まって、彼女は笑いをこらえるように下を向き、そしてまた泥棒を見て、吐く。 「ほんっと、サイコーっ! カタルシスぶっしゃーだわ! あはははははははははっっっ!!!!」
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