深夜に訪問者を誘い奏でる

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夜は更けている。 月光の旋律がゆっくり深く響く。 彼女は一人、誰もいない屋敷で鍵盤をなでるように弾く。 重く、深く、訴えるように。 静寂が深くなっていく感覚に、彼女は身を委ねる。 誰一人気付かない。たった一人の世界に何者も干渉されない。 求めるのは、そんな世界。 だった。 弾き終わると、月明かりが遮られる。 そして、拍手が鳴った。
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