第二話 アイスクリーム

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第二話 アイスクリーム

 小学校4年生になる加山美渚(かやまみな)ちゃんは外では棒付きアイスは絶対に食べないのだという、棒付きアイスは溶けてポタッと落ちるから食べないのだろうと訊くとそれもあるけど変なものを見たから食べないとこたえる。変なものが出てくると怖いので外ではカップアイスかモナカアイスしか食べないのだ。  美渚ちゃんも以前は棒付きアイスをよく食べていた。みんなと遊びながら外で食べるのだ。カップより棒付きアイスやモナカアイスの方が片手で食べる事が出来て都合がいい、他の友達も殆どが棒付きアイスかモナカである。  アイスクリームを食べる場所はだいたい決まっている。よく遊ぶ公園だ。公園を囲むように木が植えてあり木陰が出来て涼しいのだ。  公園の木陰でアイスを食べていると必ずと言ってよいほど誰かがアイスをボタッと落とす。食べるのが下手くそだと笑っていた友人が次の瞬間ボタッと落とすようなこともあった。溶け始めて柔らかくなったアイスが落ちるのは分かる。だが食べ初めのまだ溶けていないアイスもボタッと落ちることがよくあるのだ。     
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