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アイスを食べると冷たくて気持ちが良い、生き返ったような気がして棒付きアイスを食べていた美渚ちゃんの向かい、同じように棒付きアイスを食べていた一番仲の良い友人の後ろに何かが垂れ下がっているのが見えた。
何だろう? まだ少しぼーっとしている頭で何があるのかと見つめていると垂れ下がっているものが友人の持つアイスクリームに巻き付いた。
「えぇっ!? 」
長い舌だ。美渚ちゃんがそう思ったとき友人のアイスがボタッと落ちた。同時に長い舌がスーッと木の上に上がっていって消えた。美渚ちゃんは何が居るのかと見上げるが枝に生えた葉っぱが沢山あるだけだ。
「あぁーっ、勿体無い、もう少しで食べ終わるとこだったのにぃ~~ 」
アイスを落とした友人が悔しそうにする。他の友達がそれを見て笑う中、美渚ちゃんが青い顔をして今見たことを話した。
「変なの! 変なの見た!! 長いベロがすーって降りてきてアイスをペロペロって舐めてそれで落ちたんだよ」
「何の事? 私のアイスをベロが舐めたって言うの? 変な事言わないでよ」
アイスを落とした友人は気持ち悪いことを言うなと怒り、他の友達は嘘をつくなと美渚ちゃんを責めた。
「ごっ、ごめん……怖い話しすると涼しくなるかなって」
暑さでぼーっとしていたのは自覚していたので美渚ちゃんも見間違いだと笑って誤魔化すしか無かった。
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