第三話 山の蕎麦屋

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「助かったぁ~~、小腹も減ったし食いながら道を訊こう」  昼食は済ませていたが蕎麦好きの芦立が見逃すわけがない、序でに山を降りる道も聞けると蕎麦屋に寄った。 「すいませ~ん、やってますか? 」 「んん? やってるよ」  店に入ると頑固そうなオヤジが出てきた。 「よかったぁ~、じつは道に迷って…… 」  芦立は道に迷っていて店を見つけたことを話して腹が減っていたので天の助けだとか何とかお世辞を言いながら蕎麦を頼んだ。 「はいよ、ざるお待ちどう」  頼んでから5分もせずにざる蕎麦が出てきた。 「いただきます」  手を合わせて食べ始める芦立を店のカウンターの奥からオヤジが見ていた。 「ご馳走様」  喉越しがよくスルスルと入っていく、10分掛からずに食べ終わった。 「あのぅ、掛け蕎麦も頼めますか? 」 「はいよ、掛けね」  5分掛からずにオヤジが掛け蕎麦を持ってきてくれた。 「旨い! ざるも掛けもどっちも美味しい」  あっと言う間に食べ終わる。旨かった。今まで食べた蕎麦の中で一番と言ってもいい。 「オヤジさん、町へ降りる道を教えて欲しいんだけど…… 」  芦立が頑固そうなオヤジの顔を窺う、 「兄さん蕎麦通だね、気に入ったよ」     
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